深海魚
2004年4月20日私達はやっぱり終われなかった。
短い逢瀬。
濃密な会話。
約束。
暖かい手は差し出されたままだった。
握り返す手はより強かった。
逢瀬のあと、眠りに就く。
深く、深く、深海に潜るように・・・。
久しぶりに深く眠った。
冷たい海で寄り添う魚のように。
短い逢瀬。
濃密な会話。
約束。
暖かい手は差し出されたままだった。
握り返す手はより強かった。
逢瀬のあと、眠りに就く。
深く、深く、深海に潜るように・・・。
久しぶりに深く眠った。
冷たい海で寄り添う魚のように。
嵐の来る日
2004年4月19日朝から南風が吹いていた。
海から来るこの風をうちのほうでは「マゼ」という。
沖縄でいう「マハエ」や「ハエ」という種類のものと同じだろう。
雨が降る気配が強い。
南風が髪や服にまとい、湿気を含んだ空気が吹き付ける。
バス停へ息子を送って行ったあと、洗濯を済ませ、海岸へ歩いた。
夫が眠っている。今日は夜勤シフトなので、なるべく遅くまで寝かしてあげたい。
携帯とハンカチを持った。
こんな日でも、波打ち際から釣り糸をたらす人がいる・・・。
空っぽになる。ひたすら歩いた。
波打ち際へ、白い飛沫が上がっていた。
足元の砂が吹き上げる。
携帯のカメラに収めた。動画も試してみた。
見せてあげたい人がいる。
わざと遠回りした。
防波堤を歩いた。
人に会いそうで、怖かった。
向こうから歩いてくる人がいる。
突然、涙が出てきた。
慌てて、近くの海岸の降り口から砂浜へ降りた。
ゆっくり歩いてうちへ帰った。
夫は起きていた。TVを見ていた。
よく眠れたといっていた。
午後、雨が激しくなった。
仕事や子どもの送り迎えをして一日が過ぎた。
海から来るこの風をうちのほうでは「マゼ」という。
沖縄でいう「マハエ」や「ハエ」という種類のものと同じだろう。
雨が降る気配が強い。
南風が髪や服にまとい、湿気を含んだ空気が吹き付ける。
バス停へ息子を送って行ったあと、洗濯を済ませ、海岸へ歩いた。
夫が眠っている。今日は夜勤シフトなので、なるべく遅くまで寝かしてあげたい。
携帯とハンカチを持った。
こんな日でも、波打ち際から釣り糸をたらす人がいる・・・。
空っぽになる。ひたすら歩いた。
波打ち際へ、白い飛沫が上がっていた。
足元の砂が吹き上げる。
携帯のカメラに収めた。動画も試してみた。
見せてあげたい人がいる。
わざと遠回りした。
防波堤を歩いた。
人に会いそうで、怖かった。
向こうから歩いてくる人がいる。
突然、涙が出てきた。
慌てて、近くの海岸の降り口から砂浜へ降りた。
ゆっくり歩いてうちへ帰った。
夫は起きていた。TVを見ていた。
よく眠れたといっていた。
午後、雨が激しくなった。
仕事や子どもの送り迎えをして一日が過ぎた。
クローバーの葉陰
2004年4月18日暖かい日だった。
夫は一人で出かけてしまった。
少しほっとしている。
寂しくはない。
昨日、済ませるつもりだった、現地調査が残っている。
書類を持って、子どもを連れて、現場に出かけた。
郊外の分譲地、カラスエンドウやクローバーの生えた空き地があちこちにあった。
赤い蛾の幼虫が、カラスエンドウに止まって葉を食べている。
少し地面と仲良くなって捜せば、てんとう虫や団子虫が。
小さい命、子ども達の小さい友達。
泣き腫らした目に、お日様がまぶしい。
家の写真を撮り、車に向かう。
子ども達はもう少し遊びたそうだったが、うちへ帰ってアイスを食べようと連れ帰った。
家で、アイスを食べ、PCにデジカメをつなぎ、Eメールで写真を送る。
てきぱきと仕事をこなす。
モノを考えたくない・・・PCの前に座ると、悲しかった昨日がフラッシュバックする。
少し眠った。
少しだけまた泣いた。
これ以上、何を求めているのか自分でもわからない。
だいじょうぶ?ときいてくれる声がする。
泣かないで、という声がする。
笑顔を作った。
上手に笑えなかった。
藤の花が咲いていた。
華やかな反面、寂しそうな薄紫の花。
デジカメに収めた(楽天に明日付けでUPします)
優しくなりたい。強くなりたい。
家族に、友達に、私に関わる人すべてに、優しくなりたい。
夫は一人で出かけてしまった。
少しほっとしている。
寂しくはない。
昨日、済ませるつもりだった、現地調査が残っている。
書類を持って、子どもを連れて、現場に出かけた。
郊外の分譲地、カラスエンドウやクローバーの生えた空き地があちこちにあった。
赤い蛾の幼虫が、カラスエンドウに止まって葉を食べている。
少し地面と仲良くなって捜せば、てんとう虫や団子虫が。
小さい命、子ども達の小さい友達。
泣き腫らした目に、お日様がまぶしい。
家の写真を撮り、車に向かう。
子ども達はもう少し遊びたそうだったが、うちへ帰ってアイスを食べようと連れ帰った。
家で、アイスを食べ、PCにデジカメをつなぎ、Eメールで写真を送る。
てきぱきと仕事をこなす。
モノを考えたくない・・・PCの前に座ると、悲しかった昨日がフラッシュバックする。
少し眠った。
少しだけまた泣いた。
これ以上、何を求めているのか自分でもわからない。
だいじょうぶ?ときいてくれる声がする。
泣かないで、という声がする。
笑顔を作った。
上手に笑えなかった。
藤の花が咲いていた。
華やかな反面、寂しそうな薄紫の花。
デジカメに収めた(楽天に明日付けでUPします)
優しくなりたい。強くなりたい。
家族に、友達に、私に関わる人すべてに、優しくなりたい。
コメントをみる |

バーチャルの森で
2004年4月17日ありえない出会いがあった。
心を通わせた。親しい感情を持った。
現実を忘れた。
辛いことから逃げ込める場所を得た。
そこで泣いたら、自分の場所へ帰ってこられた。
抱きしめられ、髪を撫でられる感覚を得た。
優しくされて、愛されて、子どものように眠った。
バーチャルでもよかった。
私は救われていた。
ありえない世界での出会いだった。
消えてしまう。
幸せが長く続かないことを恐れていた。
いつかなくなることを恐れていた。
急いで、早く、早く・・・消えないうちに。
心が離れないうちに。
待てなかった。自分で壊してもいいと思った。
誰かに壊されるなら、自分で壊したかった。
言葉がほしかった。
一つだけの言葉がほしかった。
罪の意識はもうなかった。
堕ちていく自分を見ていることは、気持ちがよかった。
腕を組んで、もう一人の私が、堕ちていく可愛い私を見ている。
白い花に囲まれて、可愛い私は眠っている。
目覚めることはあるの?
突然の終わりだった。
終わらせるのは、私の役目だった筈。
壊すのは私の役目だった筈。
涙は出ない。
泣いてない。
私は、大切な場所を失った。
癒してくれた人を反対に癒してあげたいと思った。
自分の力のなさと子どもじみた振る舞いが恥ずかしかった。
もっと話したかった。
いつも急いでいた。
一緒に過ごす時間が短く終わることが悲しかった。
もっともっと。
もっと頂戴。
貪欲にその人を求めた。
触れたいと思った。
触れたら壊れると知っていた。
永遠なんて、信じてなかった。
今だけがほしかった。
急がないで、とその人は言った。
だいじょうぶだから。
逃げないから。
離れないから。
満ち足りた眠りを得た後、信じようと思った。
突然の終わりだった。
壊したかった。
どうせなら触れて壊したかった。
今はただ悲しい。
心を通わせた。親しい感情を持った。
現実を忘れた。
辛いことから逃げ込める場所を得た。
そこで泣いたら、自分の場所へ帰ってこられた。
抱きしめられ、髪を撫でられる感覚を得た。
優しくされて、愛されて、子どものように眠った。
バーチャルでもよかった。
私は救われていた。
ありえない世界での出会いだった。
消えてしまう。
幸せが長く続かないことを恐れていた。
いつかなくなることを恐れていた。
急いで、早く、早く・・・消えないうちに。
心が離れないうちに。
待てなかった。自分で壊してもいいと思った。
誰かに壊されるなら、自分で壊したかった。
言葉がほしかった。
一つだけの言葉がほしかった。
罪の意識はもうなかった。
堕ちていく自分を見ていることは、気持ちがよかった。
腕を組んで、もう一人の私が、堕ちていく可愛い私を見ている。
白い花に囲まれて、可愛い私は眠っている。
目覚めることはあるの?
突然の終わりだった。
終わらせるのは、私の役目だった筈。
壊すのは私の役目だった筈。
涙は出ない。
泣いてない。
私は、大切な場所を失った。
癒してくれた人を反対に癒してあげたいと思った。
自分の力のなさと子どもじみた振る舞いが恥ずかしかった。
もっと話したかった。
いつも急いでいた。
一緒に過ごす時間が短く終わることが悲しかった。
もっともっと。
もっと頂戴。
貪欲にその人を求めた。
触れたいと思った。
触れたら壊れると知っていた。
永遠なんて、信じてなかった。
今だけがほしかった。
急がないで、とその人は言った。
だいじょうぶだから。
逃げないから。
離れないから。
満ち足りた眠りを得た後、信じようと思った。
突然の終わりだった。
壊したかった。
どうせなら触れて壊したかった。
今はただ悲しい。
コメントをみる |
